題名だけ見たら怪しさ満点で、本屋で見ただけだったら、絶対に買わなかったであろう本。しかし、SNSでの評判がよかったので試しに買ってみたら、非常にためになりました。今後のコンサル業務についての、自分の中でモヤモヤがあった部分について明確に解答をしていただいています。おそらくフリーランスで稼ぎたい方という方よりは、法人化を目指してさらに稼ぎたい方にオススメの本でだと思います。
中小企業診断士という資格の可能性と、その活かし方、成功するための戦略について実践的かつ具体的に述べたものです。
重要なポイント
中小企業診断士の本質と戦略
• 中小企業診断士は国家資格でありながら独占業務がないため、自由なビジネス展開が可能。
• 資格取得がゴールではなく、自らの専門性とビジネスモデルを磨くことが重要。
• 「富士山を目指す」=独自分野で日本一になることが理想。
稼ぐためのマインドと実践
• 高収入を目指すなら「単価アップ」と「仕組み化」が必須。
• 時間売りのビジネスには限界があるため、営業・標準化・デジタル活用がカギ。
• 書籍出版やセミナーを通じた信頼獲得とブランド構築が重要。
営業とブランディング
• 営業では自分自身を売り込む“売り物”の準備が不可欠(例:採用パンフレット、出版物)。
• 自分の実績を商品化し、他人の言葉で自分を高める戦略が有効。
• 営業を継続することで、事例の蓄積と専門性の深化につながる。
標準化とデジタル活用
• コンサルティング手法の「標準化」と「システム化」により効率と収益性を向上。
• デジタルとの融合でコストを下げつつ提供価値を最大化。
• 無形資産(ノウハウ、ブランド、商標等)の活用が成功のカギ。
総評
この本は、中小企業診断士という資格を「稼げる手段」として捉える視点から、非常に実践的で戦略的なアプローチを提示しており、刺激的でした。「資格を取っただけでは稼げない」「営業・発信・仕組み化が成功の鍵」といった厳しくも現実的な指摘は、多くの専門職に共通する課題を浮き彫りにしています。
冒頭に記載したモヤモヤしていた部分というのは、「時間の切り売り型のビジネスモデル」では限界がくるのでは?ってなんとなく思ってた点です。解決方法としては、パッケージ化するしかないと思っていたところ、もうすでに実践されていた方がいたというのは驚きました。しかもパッケージ化はコアコンピタンスなので内作しているとのこと。コンサル会社がデジタルパッケージを作るのはご苦労があったのかと思います。
また自分の価値を売り込むにはどうしたら良いのかと迷っていたのですが、この本に書いてある通り「具体的な商品を通じて、自分の考えや実績、コンサルティング力を顧客に伝える」ということが大事なんだと気づきました。コンサルタントというサービス業であっても、根本はものづくりなのです。ものを通じて、サービスを提供することができるわけです。経営者に自分の考えが伝わるような商品を作っていこうと思いました。
今後は、生成AIが主流になり、経営者が無料で相談に応じる簡易コンサルシステムが普及していくと思います。本格的な支援については有料化し、イメージとしてはフリーミニアム的なサービスです。そうすると、今まで相談できなかった経営者が気軽にコンサルを活用できるようになり、日本経済の発展に繋がるかと思います。
あと、個人的に刺さったのは値下げはするけど値引きはしないという点です。仕事が欲しいがために値引きしちゃいそうですが、これは諸刃の剣ですね。
中小企業診断士に限らず、専門スキルで生きていく人すべてに役立つ内容です。自分の価値を高め、社会に還元する方法を再確認させてくれる内容でした。
中小企業診断士こそが、日本を元気にします!!
読んでほしい人